2分で読めるRowing日誌 オールを擦ることに対するGBの見解

2分で読めるRowing日誌 オールを擦ることに対するGBの見解

はじめに

オールを水面に擦ることについて神経質になる経験はほとんどの人にあるのではないでしょうか?僕も高校時代は擦ると後ろに乗っていた先輩にグリップで背中を殴られてました。そんな経験から、「オールを擦る=ダメ」という先入観が生まれてしまい、根本的にバランスに対して視野が狭くなっていた時期もありました。日ごろ漕手またはLv2研修コーチとして英国でローイングに携わる中で、 オールを擦ることに関する見解をいろんな人に聞いてみたので紹介させていただきます。結論からお伝えすると「擦るのはリズムが合ってないから。まずはそこから意識」ということです。


リズムリズムリズム!!

ヨーロッパでは特に浸透しているのですが、初心者やジュニアにまず一番最初に教えるのはキャッチでもフィニッシュでもセットでもなく、リズムとそのメカニズムです。これは練習後のミートでもまず「リズムはどうだったか」から始まり、またCoxコールも「Rhythm!!」が一番多く言われる言葉なので、もっとも根本的にリズムが意識されていることがよくわかります。物理学の観点で、リズムがより一体化しているほど推進効率がいいというメカニズムは100年ほど前から言われているそうで、この軸は変わっていないそうですね。つまり、「擦ってもいいからまずリズムを伝えよう」ということです。リズムが合うと自然とバランスも改善され、擦る回数も減るという順序で考えられています。ちなみにエルゴでもリズムに関する意識は高く、複数人でUTエルゴをやる際は基本ストロークの人間を決め、全員でリズムを合わせてやります。これはハイレートでも効果的です。

代表でも擦る

同じStartCenterのU23の漕手にきいてみたところ、「最初は普通に擦るよ。だんだんリズムが良くなってきたらバランスが良くなるから擦らなくなるけどね。擦ることは気にしたことないかな」とのこと。何度か一緒に漕いだことがありますが、最初はめちゃくちゃ擦りまくってても特にイライラしたりする様子はなく、水中にしっかりとフォーカスしていて感心しました。無理に擦らないように漕ぐとブレードワークとボディワークの乱れにつながって逆にリズムが伝わらず一向に改善しないとのことです。彼らのレベルだと水中のドライブが異次元に強いので、それもバランスに貢献しているとは正直思います。

最後に

あくまで今回は「オールを水面に擦ること」にフォーカスした記事なので、リズムやキャッチ、フィニッシュといったテクニカルに関する内容はGBの見解というレベルにはなりますが別途今後出させていただこうと思います。引き続きよろしくお願いいたします。

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