はじめに
自信に満ち溢れ、有能で成功した操舵手になるには、ボートの操縦やレースプランの呼び方を知っていること以上に重要なことがある。個々のCoxingスタイルを完成させるには何年もかかるものだが、ストローク、ストロークレート効率、レース戦略をしっかりと理解していれば、道は開ける。ここでは、やる気のある(モチベーションの高い)Coxworkerのための5つのコツを紹介する。
GET TO KNOW YOUR CREW
クルーを知ろう
決して恥ずかしがらずに、チームメイトにクルーボートの魅力について聞いてみよう。意外な答えが返ってくるかもしれないし、水上で貢献するうえで必要な材料を与えてくれるだろう。漕ぎ手の中には、水面を高速で移動することで得られるアドレナリンラッシュを糧にしている人もいる。
他の人にとっては、ボートのリズムの音( キャッチでのブレードのプランク音、ドライブでのシートホイールのローリング音、フィニッシュでのオールロックのフェイド音など)。どんなものであれ、漕ぎ手の心を揺さぶる何かがある。レース中の各個人のモチベーションを引き出すことで、Coxとして漕手を気にかけていることが伝わり、静かに結びつきが強固なものになるのである。
BE A TEAMMATE.
チームメイトであることを自覚しよう
前提として、水上では、自分をチームの一員と考えなければならない。オールを手にしていないと、精神的に漕手と自分を切り離してしまいがちなのがCOXというポジションである。「私」という呼びかけを避け、「私たち」という表現に置き換えてみよう。「レートを34にしたい」を「2本でレーティングを2拍上げて34にしよう」と言い換えるのだ。漕手に、あなたが一緒にやっていることを伝えよう。漕手との関係は水上だけではなく、陸上でチームメイトと過ごす時間も含まれる。エルゴで一緒に汗を流してもいいし、朝練の後に一緒に朝食をとったり、レガッタの後に一緒にお酒を飲んだりしよう。友情は信頼を築き、信頼はボートへの信頼を築く。
DEVELOP A COXING PERSONALITY.
COXとしての個性を確立しよう
ボートに乗り込み、コックスボックスのプラグを差し込み、マイクのスイッチを入れたら、ライブの観客に向かってプレーすることになり、観客をどう動かすかを考えなければならなくなる。日が浅いCOXは、積極的で、声が大きく、意地悪で、出番があるときは一本調子になりがちである。状況に応じて声のトーンを変えてみよう。
人により違うアプローチをするかもしれないが、私は自分のCOXとしての性格を「ビリーバー・イン・チーフ」だと考えている。私が言うことはすべて、漕手の気持ちを前向きにさせるものでなければならない。怒ったり、反対意見を言ったりすると、怒ったり、イライラしたり、モチベーションが下がったりと、アスリートとしての精神に全体的に悪い影響を与えてしまうかもしれない。何かおかしいと感じたら、今後の役に立つフィードバックを意識しよう。「3番、ブレードを水面から4インチ(10.16cm)離すことに集中していこう」の代わりに、"うーん、3番、ブレードを引きずるのは止めようか"。といった風に相手が受け入れやすいニュアンスに変えてみよう。
うまくいっているときは、いいことを言うのは簡単だ。ボートが走り、レートや体の動きがぴったりなら、クルーに "Niiiice. その通りだ "と伝えてみよう。漕ぎ方が荒く、クルーが遅れをとっているときは、ポジティブでいることが難しくなることがある。その時はうまくいっているもの(些細なことでもいい)を選び、そこからコールを通じて立て直しを始めよう。
WHAT YOU SAY IS AS IMPORTANT AS HOW YOU SAY IT.
何を言うかと同時に、どう言うかも重要である
リズムコールとインフォメーションコールを分けるのが大事。リズムコールはキャッチ&リリースのタイミングに行うことで音の重複を避ける。クルーに情報を提供するインフォメーションコールのときは時間をかけて、より会話に近いものにすることが大事。「今2挺身出てるから行くぞ!パワー10行こう!」といったように感情も織り交ぜよう。
FINESSE A RACE PLAN ON THE FLY.
レースプランを最適化しよう
定型的なコールの繰り返しは、操舵手として最低限すべきことであるが、水上でのアクションにはさらに柔軟性と対応力が求められる。コーチは500m地点でパワー10をコールするように言うかもしれないが、600m地点ですでに他の艇とギリギリのところで競っているかもしれない。そしてそこで停滞してはいけない。素早い膝蹴り、強力なフィニッシュなど、艇を動かすためのコールをどんどん入れていこう。レースプランでは250mのスプリントでレートを上げることになっているかもしれないが、漕手がぎりぎりの戦いの中で混乱している場合、レートを無理に上げようとしても、おそらく助けにはならないだろう。Coxは最もレースのコントロールに力を及ぼせるポジションなのだ。
最後に筆者が現役時代に親の顔より見ていた、レース中のコックスコールの映像を載せておく。
P.S.
この引用もとであるROW SOURCEにはRowingに関するメンタルビーイングに関する記事が多いため、ぜひほかのコラムも目を通すことをお勧めする。
引用
・ROW SOURCE“5 ADVANCED TIPS FOR COXING A GREAT RACE”
https://www.rowsource.com/cox/5-advanced-tips-for-coxing-a-great-race