~レジェンド Olaf Tufte~ 五輪に7回出場、ノルウェーの英雄

~レジェンド Olaf Tufte~ 五輪に7回出場、ノルウェーの英雄

Olaf Karl Tufte「オラフ・カール・トゥフテ」(1976年4月27日、テンスベルク生まれ)は、ノルウェーを代表するボート選手であり、消防士という一面も持つ。オリンピックに7回出場し、シングルスカル選手としてはオリンピック王者に2回、世界王者に2回輝いている。

2021年東京オリンピックの代表選手に選ばれ、ノルウェー代表としてM4Xで7度目のオリンピック出場を果たすなど、1996年から一貫してノルウェー男子シニアボート代表選手に選出されている

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Rowingとの出会い、躍動

17歳でボート競技を始め、当初はモータークロスの操作性を向上させるために打ち込んだがすぐにこのスポーツへの適性を示し、1年後の1994年には、ジュニアの世界選手権でシングルスカルを漕ぎ、ノルウェー代表として国際デビューを果たし、6位入賞という結果を残した。

その後1996年のアトランタ五輪でシニアデビューをし、1997年の世界選手権(アイグヴェレッテ)ではノルウェー代表のM4Xにて13位に入賞した。 1998年にはM4-で2つのワールドカップと世界選手権に出場し、A決勝に進出し6位になった。

1999年、トゥフテはフレドリック・ベッケンと共にダブルスカルに転向し、2000年のオリンピックに向けた活動を開始した。1999年のヨーロッパ国際大会では3つのワールドカップすべてで金メダルを獲得し、カナダのセント・キャサリンズで開催された1999年世界選手権では銅メダルを獲得、さらに 2000年もエリートランキングを維持し、シドニー五輪では男子ダブルスカルで銀メダルを獲得した。

トゥフテは2000年のシドニー大会の後、M1Xに転向し、休むことなく漕ぎ続けた。2001年のワールドカップでは4大会すべてで表彰台に上り、2002年の3つのワールドカップで銀メダルを獲得し、2002年スペインで開催された世界選手権では銅メダルを持ち帰った。2003年には、ミラノの世界選手権でタイミングよく金メダルを獲得し、自身2度目の世界チャンピオンタイトルを獲得した。

その後も世界の舞台で活躍をつづけたものの徐々にパフォーマンスは衰えつつあった。ロンドン五輪後に肝臓の病気の治療と回復のため1年休暇を取り、復帰後も低調が続いた。しかしまた転機が訪れる。2016年にHorten Roklubbのクラブメイトで世界チャンピオンのKjetil Borch(ボルシュ)とM2Xを組んでから調子が復活しヨーロッパ最終予選でリオ五輪の出場権を獲得し、最終的にリオ五輪の男子ダブルスカルで銅メダルを獲得しました。

2018年、原点であるM4Xに戻り、7度目の五輪出場を決めた。

オアズマンとして、ビジネスパーソンとして

「私は休むようにできていないんです」とトゥフテは言う。「常にローイング以外のこともしないと飽きちゃうんです」。その「ローイング以外のこと」とは、家族の農場の経営、消防士としての業務、コンクリート施工工事の手伝い、衣料品会社「TUFTE WEAR」、そして最近ではビール醸造などである。この「TUFTE WEAR」とは彼自身が創業した下着メーカーブランドである。
競技・日常共にボクサーパンツでより快適な下着を(特に男性の股間部分)開発できないかと妻のアイナさんと共に最初の商品開発へと動き始め、そして快適なフィット感とサポート感のある極上のボクサーパンツを完成させたことでアンダーウェアのブランドとして現在に至る。


WORK HARD. FEEL GOOD.

このブランドは環境への配慮にも注力しており、それは自身の農家育ちという背景に重ね、自然に育てられた彼にとっては自然は生活の一部であり環境に配慮することは当然の選択であったことが大きく影響している。
さらにスポーツ選手としてハードなトレーニングが日課の彼には機能性も重要な要素であり、そこから商品開発はどんどん進化し、スポーツウェアから普段着まで、快適で環境に影響が少ない素材開発と商品開発を繰り返し、今日のヨーロッパではComfort wearとして地位を確立しつつある。

日本でもボート競技を終えた選手が次のステップを歩む道を考えるときに、
彼の生き方は参考になるのではないだろうか。


引用

・Row360 「Next Stop Tokyo: Olaf Tufte」

https://row-360.com/next-stop-tokyo-olaf-tufte/

・World Rowing公式ホームページ「DESIGNED FOR ROWING: OLAF TUFTE」

https://worldrowing.com/2022/02/21/designed-for-rowing-olaf-tufte/

・「TUFTE WEAR」公式ホームページ

https://tuftewear.no/

・Thumbnail photo shot by Steve Selwood

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