はじめに
先週末に初めてフリーレートの2kmエルゴのTTがあり、現役のU23の選手や代表での指導経験のあるコーチとエルゴについて話す機会があったので、色々聞いてみました。結論からいうと「エルゴで全ては測れない」そうです。
2Kエルゴは何を測るのか
2kエルゴは漕手の「体力」「メンタル」「リズム」を測るもっとも純粋な方法であるそうです。皆さんも経験があるように、1秒を削り取る自分との闘いです。メンタルは本番への強さ、リズムは適正のある種目やシートを考える際に見る項目とのこと。水上と違ってバランスや小手先のテクニックが必要ない分より純粋に能力を測れるということですね。一方で、「スクワットで重い重量を挙げられる」「長距離走が速い」「身長が高い」といった要素と直結しない(傾向はあれども)のがエルゴです。人体力学上エルゴへの貢献因子として最も高いのは「体幹」と「筋持久力」です (Lamb, D.H., 1989)。
どれくらいの頻度で、どのようなタイミングで実施するべきか
3〜4か月に一回がほとんどとのこと。少ないですね。月1~2回レート24縛りで実施して2000の距離に慣れておくのが良いとのこと。確かに慣れのために2000を練習ベースで実施するのって重要ですね。また、長期連休や試験休みの前に実施すると、モチベーション構築に効果的だそうです。
エルゴ速い≠水上速い
「エルゴで足切りはしないほうがいい」と言われたのには、正直驚きました。たしかに日頃の乗艇で感じるのは、6分一桁や5分台の漕手が加わって水上のタイムがめちゃ上がるかというとそうでもなくて、逆も然りなんですよね。エルゴがそれほど速くなくても艇のバランスやリズムに貢献できる漕手ももちろんいる分一概には言えないですね。なので全員水上選考も行います。U23、シニアのイギリス代表選考では6分以下という足切りがあります。ちなみに、5分台から8分台まで本当にばらけています。全員がエルゴブンブン丸というわけではないです。
応援の様子は日本と同じでとても盛り上がります!!
僕は6:24で、オープン男子で15位でした。。競技から4年離れていた分体力は戻ってきましたが、水上の技術に秀でているわけでもなく、このままでは大会に出れないので精進します。
出典
Lamb, D.H. (1989) A kinematic comparison of ergometer and on-water rowing. The American journal of sports medicine. 17(3), pp. 367–373.