Rowing AtoZ
2分で読めるHRRレポ④~クラブ・社交~
はじめに Henley Royal Reggata (HRR)はあくまで英国近世のイベントとしての伝統を強く重んじるため、厳しいドレスコードが特徴的です。それぞれが自分のクラブ、もしくは出身クラブのブレザー(ローイングブレザー)を着るのが特徴的で、とても個性的なブレザーがたくさん見られるのは本当に面白いです。また、コース沿いはそれぞれエリアで分かれており、比較的カジュアルなエリアから完全紹介制のプライベートエリアまであります。運よくすべて入ってきたのでレポします! Embed from Getty Images カジュアルなRegatta Enclosure Regatta Enclosure は競技者およびその付き添い、また過去に一度でもHRR出漕歴があれば入場が許されるエリア。比較的カジュアルな雰囲気であり、食事はサンドウィッチや寿司、ベトナム料理など様々。ドリンク(選手は大変良く飲む)は英国定番のリキュールPIMMSの他にビールやワインなど、非常にオーソドックス。外のスタンドはパイプ椅子があり屋根はないが、ゴール前のためスパート合戦が白熱する、見ごたえのあるレースが観られる。 カウンター(左)と食事エリア(右) 観覧席。写真手前の赤のブレザーはドイツのクラブで、クラブ創設期からあるブレザーを着まわすのが伝統とのこと。 シックなThe Stewards' Enclosure HRR会員かその紹介でしか入れないエリア。入場にはバッジ(下記画像)が必要となる。アフタヌーンティーやコース料理などが楽しめるおハイソなエリアで、優勝カップの展示なども行われている。男性はネクタイ、女性はドレスが必須で入場時の服装審査も非常に厳しい。極めつけはスマートフォンの長時間操作が禁止されており、警備の人に見つかると追い出されるうえにバッジに記載されている紹介番号をもとに出入り禁止措置を取られる。ドリンクは内容も価格もCompetitor Enclosureとほぼ変わらない。高価なワインとシャンパンが追加されている。 厳しいドレスチェック(左)とバッジ(右) 優勝カップと飲食スペース 筆者人生初のアフタヌーンティー(5000円) 完全紹介制 Remenham Club 英国及びアイルランドの初期7クラブから組織される100年以上続くクラブ。会員または、会員の直接紹介でないと入れない最も敷居の高いエリア。クラブOBの人にご縁あって紹介して頂き、晴れてバッジを入手、入場できました。建物も敷地もとてもシックで英国的。ドリンクの内容は意外に上記二つのエリアより安く良心的でした。ここもスマートフォンの長時間操作や迷惑行為に厳しく、一人つまみ出されている人を見かけました。とても素晴らしいエリア。 芝生も丁寧な管理がなされ、とても美しいエリア 歴史の重みが織りなす内装が素晴らしい(左)そしてPIMMSのピッチャー(右)
2分で読めるHRRレポ④~クラブ・社交~
はじめに Henley Royal Reggata (HRR)はあくまで英国近世のイベントとしての伝統を強く重んじるため、厳しいドレスコードが特徴的です。それぞれが自分のクラブ、もしくは出身クラブのブレザー(ローイングブレザー)を着るのが特徴的で、とても個性的なブレザーがたくさん見られるのは本当に面白いです。また、コース沿いはそれぞれエリアで分かれており、比較的カジュアルなエリアから完全紹介制のプライベートエリアまであります。運よくすべて入ってきたのでレポします! Embed from Getty Images カジュアルなRegatta Enclosure Regatta Enclosure は競技者およびその付き添い、また過去に一度でもHRR出漕歴があれば入場が許されるエリア。比較的カジュアルな雰囲気であり、食事はサンドウィッチや寿司、ベトナム料理など様々。ドリンク(選手は大変良く飲む)は英国定番のリキュールPIMMSの他にビールやワインなど、非常にオーソドックス。外のスタンドはパイプ椅子があり屋根はないが、ゴール前のためスパート合戦が白熱する、見ごたえのあるレースが観られる。 カウンター(左)と食事エリア(右) 観覧席。写真手前の赤のブレザーはドイツのクラブで、クラブ創設期からあるブレザーを着まわすのが伝統とのこと。 シックなThe Stewards' Enclosure HRR会員かその紹介でしか入れないエリア。入場にはバッジ(下記画像)が必要となる。アフタヌーンティーやコース料理などが楽しめるおハイソなエリアで、優勝カップの展示なども行われている。男性はネクタイ、女性はドレスが必須で入場時の服装審査も非常に厳しい。極めつけはスマートフォンの長時間操作が禁止されており、警備の人に見つかると追い出されるうえにバッジに記載されている紹介番号をもとに出入り禁止措置を取られる。ドリンクは内容も価格もCompetitor Enclosureとほぼ変わらない。高価なワインとシャンパンが追加されている。 厳しいドレスチェック(左)とバッジ(右) 優勝カップと飲食スペース 筆者人生初のアフタヌーンティー(5000円) 完全紹介制 Remenham Club 英国及びアイルランドの初期7クラブから組織される100年以上続くクラブ。会員または、会員の直接紹介でないと入れない最も敷居の高いエリア。クラブOBの人にご縁あって紹介して頂き、晴れてバッジを入手、入場できました。建物も敷地もとてもシックで英国的。ドリンクの内容は意外に上記二つのエリアより安く良心的でした。ここもスマートフォンの長時間操作や迷惑行為に厳しく、一人つまみ出されている人を見かけました。とても素晴らしいエリア。 芝生も丁寧な管理がなされ、とても美しいエリア 歴史の重みが織りなす内装が素晴らしい(左)そしてPIMMSのピッチャー(右)
1分で読めるHRRレポ③ ~宿泊~
はじめに Henley Royal Reggata(HRR)の開催期間中は、多くのコース周辺の一般民家は民泊に姿を変えます。400を超えるクルーが世界中から集まるため、需要がとても高くSNSや検索エンジンなどで簡単に見つけることができます。場所や人数にもよりますが、だいたい一人あたり£50~80 (1~1.2万円)/一泊ほどの金額です。周辺にホテルはほとんどなく、適正価格といえると思います。 筆者の泊まった秘密基地感ある屋根裏部屋※記事内の写真はすべて掲載許可をいただいたものです。 基本的に家族と共同生活 自分がお世話になった所は3人+猫2匹のご家族が住んでおり、僕らは二階の客室と庭にある別棟(4ベッド+シャワー、トイレ)に分かれて過ごしました。ご飯は基本自炊ですが、朝食はパンやフルーツ、ヨーグルトなどを用意してくださり、とてもありがたかったです。夜ご飯は近くのスーパーで食料を調達し、クラブメイトが料理 (チリコンカン、タコスなど)を作ってくれました。 タコスと朝食 庭に卓球台もあり遊び放題
1分で読めるHRRレポ③ ~宿泊~
はじめに Henley Royal Reggata(HRR)の開催期間中は、多くのコース周辺の一般民家は民泊に姿を変えます。400を超えるクルーが世界中から集まるため、需要がとても高くSNSや検索エンジンなどで簡単に見つけることができます。場所や人数にもよりますが、だいたい一人あたり£50~80 (1~1.2万円)/一泊ほどの金額です。周辺にホテルはほとんどなく、適正価格といえると思います。 筆者の泊まった秘密基地感ある屋根裏部屋※記事内の写真はすべて掲載許可をいただいたものです。 基本的に家族と共同生活 自分がお世話になった所は3人+猫2匹のご家族が住んでおり、僕らは二階の客室と庭にある別棟(4ベッド+シャワー、トイレ)に分かれて過ごしました。ご飯は基本自炊ですが、朝食はパンやフルーツ、ヨーグルトなどを用意してくださり、とてもありがたかったです。夜ご飯は近くのスーパーで食料を調達し、クラブメイトが料理 (チリコンカン、タコスなど)を作ってくれました。 タコスと朝食 庭に卓球台もあり遊び放題
2分で読めるHRRレポート② ~Dorney3連戦~
はじめに イギリスの多くのクラブは7月上旬のHenley Royal Reggataに照準を合わせるため、その前の5,6月にDorney Lake(London五輪コース)で開催されるWallingford Regatta, Metolopolitan Regatta, Marlow Regattaにエントリーします。シートレースとしてクルー選考に使ったり、同じカテゴリ内の他クラブ、大学との実力差を確認したりします。3つの大会とも共通なのは、2km弱のタイムトライアルを午前に実施し、午後にその結果をもとに上からA~ファイナルごとで2㎞の6〜8艇レースを行います。Mファイナルとかまであります。エントリー数多すぎ。 艇をウマ置きするのも一苦労 Dorney Lake 超名門私立高校Eton collegeの私有地で、毎回大会をするごとに莫大なロイヤリティが懐に入る狂ったシステム。London五輪直前に突貫工事で作ったらしい。でもすごくいいコース。各艇やオールのメーカーも多数出店します。基本アクセスはほぼ車で、歩いても行けますが敷地の入り口から艇庫まで3㎞あるので車がお勧めです。トイレが仮設のも含めて常に激混み。常に横風が吹くのでペアやなしフォアはたまにレーン侵害してました。 艇庫とコースの様子 出店がいっぱい 艇庫の二階はカフェです。おしゃれ(小並感) クルー多すぎて桟橋まで30分かかりました。 高校、大学、シニア(社会人)までごっちゃのファイナル タイムトライアルの結果をもとにカテゴリ関係なく上から各ファイナルに分けられるため、高校生クルーが上位のファイナルで大学やクラブと競い合うこともよくあります。今年の最速高校エイトのタイムはMarlow RegattaでのSt.Paulsの5min42sec (B Final 2位)でした。クルーのエルゴ平均は6分一桁とのこと。3つの大会で5分40秒台の高校生エイトは6クルーあり、改めて英国Rowingの層の厚さを実感。大半が奨学金付きでアメリカの大学に行ってしまうとのこと。筆者も高校生にエイトで20秒差つけられましたが、日本ではできない経験なので逆に楽しかったです。表彰はカテゴリーごとで行われます。...
2分で読めるHRRレポート② ~Dorney3連戦~
はじめに イギリスの多くのクラブは7月上旬のHenley Royal Reggataに照準を合わせるため、その前の5,6月にDorney Lake(London五輪コース)で開催されるWallingford Regatta, Metolopolitan Regatta, Marlow Regattaにエントリーします。シートレースとしてクルー選考に使ったり、同じカテゴリ内の他クラブ、大学との実力差を確認したりします。3つの大会とも共通なのは、2km弱のタイムトライアルを午前に実施し、午後にその結果をもとに上からA~ファイナルごとで2㎞の6〜8艇レースを行います。Mファイナルとかまであります。エントリー数多すぎ。 艇をウマ置きするのも一苦労 Dorney Lake 超名門私立高校Eton collegeの私有地で、毎回大会をするごとに莫大なロイヤリティが懐に入る狂ったシステム。London五輪直前に突貫工事で作ったらしい。でもすごくいいコース。各艇やオールのメーカーも多数出店します。基本アクセスはほぼ車で、歩いても行けますが敷地の入り口から艇庫まで3㎞あるので車がお勧めです。トイレが仮設のも含めて常に激混み。常に横風が吹くのでペアやなしフォアはたまにレーン侵害してました。 艇庫とコースの様子 出店がいっぱい 艇庫の二階はカフェです。おしゃれ(小並感) クルー多すぎて桟橋まで30分かかりました。 高校、大学、シニア(社会人)までごっちゃのファイナル タイムトライアルの結果をもとにカテゴリ関係なく上から各ファイナルに分けられるため、高校生クルーが上位のファイナルで大学やクラブと競い合うこともよくあります。今年の最速高校エイトのタイムはMarlow RegattaでのSt.Paulsの5min42sec (B Final 2位)でした。クルーのエルゴ平均は6分一桁とのこと。3つの大会で5分40秒台の高校生エイトは6クルーあり、改めて英国Rowingの層の厚さを実感。大半が奨学金付きでアメリカの大学に行ってしまうとのこと。筆者も高校生にエイトで20秒差つけられましたが、日本ではできない経験なので逆に楽しかったです。表彰はカテゴリーごとで行われます。...
HRRレポート①大会概要
英国テムズ川最上流部にある「ヘンリーオンテムズ(Henley on Thames)」という地域及び水域で行われるクラブ対抗のローイングの大会であり、毎年7月第一週末に6日間の日程で開催される。1839年からおよそ190年続いており、「近代スポーツの祖となる大会」と呼ばれている。毎年世界中からアマチュア〜五輪メダリストレベルの選手まで多数が参加し、カップと呼ばれる優勝杯の争奪戦を繰り広げる。
HRRレポート①大会概要
英国テムズ川最上流部にある「ヘンリーオンテムズ(Henley on Thames)」という地域及び水域で行われるクラブ対抗のローイングの大会であり、毎年7月第一週末に6日間の日程で開催される。1839年からおよそ190年続いており、「近代スポーツの祖となる大会」と呼ばれている。毎年世界中からアマチュア〜五輪メダリストレベルの選手まで多数が参加し、カップと呼ばれる優勝杯の争奪戦を繰り広げる。
1分で読めるイギリスのローカルレース
ウェールズのMonmouthレガッタに出場しました。おまつりレガッタで優勝賞品は巨大シャンパン。艇庫が一つしかない小さな水域ですが、20以上のクラブが参加し、またカテゴリはジュニアからパラまで幅広くあります。ロースー姿のままレースの前後にお酒やフードを楽しむのはまさしく社交としてのローイングですね。自分が昔常に感じていた結果を出さないといけないプレッシャーが皆無で、ボートっていいなと思いました。
1分で読めるイギリスのローカルレース
ウェールズのMonmouthレガッタに出場しました。おまつりレガッタで優勝賞品は巨大シャンパン。艇庫が一つしかない小さな水域ですが、20以上のクラブが参加し、またカテゴリはジュニアからパラまで幅広くあります。ロースー姿のままレースの前後にお酒やフードを楽しむのはまさしく社交としてのローイングですね。自分が昔常に感じていた結果を出さないといけないプレッシャーが皆無で、ボートっていいなと思いました。
2分で読めるレースレポート~THE BOAT RACE~
先週のHoRRに続き2週連続でテムズ川チャンピオンシップコースへ。毎年10万人が川沿いで観戦する、世界最古の対校戦であるオックスフォードとケンブリッジによるTHE BOAT RACEを観戦しました。今回は仕事で訪英された大学時代のボート部の先輩と観戦。熱気あふれるレースはもちろん、文化としてのローイング、ファンゾーンやイベントといったエンタメ要素も大会のブランドにうまく統合されており、まさしくボート競技の大会の理想形でした。とても学びの多い経験となりました。
2分で読めるレースレポート~THE BOAT RACE~
先週のHoRRに続き2週連続でテムズ川チャンピオンシップコースへ。毎年10万人が川沿いで観戦する、世界最古の対校戦であるオックスフォードとケンブリッジによるTHE BOAT RACEを観戦しました。今回は仕事で訪英された大学時代のボート部の先輩と観戦。熱気あふれるレースはもちろん、文化としてのローイング、ファンゾーンやイベントといったエンタメ要素も大会のブランドにうまく統合されており、まさしくボート競技の大会の理想形でした。とても学びの多い経験となりました。