※あくまで情報提供であって推奨ではないです
はじめに
エルゴが伸びない、レースで勝てない時期というのは誰もが経験しているのではないでしょうか?「心技体」という考え方があるように、心のケアもトレーニングと同じほど重要とされています。日本にいたときもイップスや、エルゴにどうしても座れないといった様々な問題を抱える選手が周りにいました。
Performance = Ability(能力) x Motivation (モチベーション)
という考えがあるそうです。どちらかが伸びるとパフォーマンスがあがり「調子がいい」と感じることもあれば、その逆もあるそうです。普遍的なアドバイスが難しいとされるメンタルの部分において、周りの代表レベルの漕手やコーチは調子が悪い時どのように対処しているか気になりいろいろと聞いてみました。
選手はどうしてる?
聞いたことを箇条書きで書いていきます。
- パフォーマンスが悪い自分を受け入れ次に進む。自分の一番の理解者は自分であるべき
- (深刻だと)競技から一時的に離れることをコーチに打診する
→数週間離脱して切り替えて戻ってくる選手が多いです。その後のパフォーマンスは安定しているイメージがあります。コーチも離脱には寛容。
- 競技はあくまで自分の人生の一部でしかないことを認識する (五輪メダリスト)
- 外食で豪遊する (U23/インドア世代別王者)
- 過去の栄光を気にしない (女子インドア元世界王者)
- 初心者のコーチに一時的に転向し、競技を客観視する
- トイレの個室で洗いざらい吐露する(シニア)
コーチはどうすべき?
聞いたことを箇条書きで書いていきます。
- 「信じられない」といった否定の言葉は禁句。また選手がそのような言葉を使ったらやさしく注意
- 「もっとできたはず」というフラストレーションは一時的な感情で、まだ結果に対して何かしようとする気持ちがある。一方で、大事な大会での敗北後などでの「こんな自分に明日はない」といった喪失感は持続するため早急にコーチは対処する必要がある。
- 選手にパフォーマンスと折り合いをつけさせる手段はいろいろあり、専門の資格を有する人間にケアを依頼するか、もしくは実家に帰してゆっくりさせるか、選手と二人きりで相談する。
- 簡単なことではないが、一度ローイングから離れさせて別の競技をさせるのも効果的な場合がある。
※イギリスでは選手がほかの競技にもトライできる協会運営のマッチングシステムがあり、中にはこれをきっかけに本格的に転向し活躍する選手も多いです。
あまり特別なことは書いてないかもしれませんが、いろいろな考え方があり、またメンタルも競技をするうえで重要な要素であることは間違いなさそうですね。