Rowing Manufactures ~みんな大好きEmpacher編~

Rowing Manufactures ~みんな大好きEmpacher編~

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高い、速い、欲しい‼

みんな大好きEmpacher。ドイツのメーカーで随一の剛性と艇速の安定感から世界中で愛されており、2020東京五輪では双角をなすイタリアのFilippi社と併せて使用艇としてほぼ全種目のメダルを独占している。シンボルは黄色の船体と先端のロゴマークで、今日では日本においても大半のクラブが所有しているといえる。
殆どの船体がEmpacher Yellowであるが、ドイツ代表のM+8艇は特注のグリーンカラーである。
価格は1xでおよそ200万円、8+で800万円からとローイングシェル艇としては最高額の部類になるが、それほどの品質と性能を有していると信頼されているメーカーといえる。
価格の裏付けとして上げられるのが、ほぼオーダーメイドに近いカスタマイズ性と品質の両立である。漕手の体格や種目に合わせてEmpacherが保有しているシェル艇の型から製造が可能であり、リガーやガンネル幅等の設計自由度が非常に高い。
日本で購入する際は代理店を務める桑野造船に依頼するのが一般的である。

卓越したブランド力

1923年にWilhelm Karlisch(ウィルヘルム・カーリッシュ)により創業。元々の始まりはセーリングヨットのメーカーとしてであった。その後第二次世界大戦中は当時のドイツに小型船舶を納品する製造会社として機能した。
1945年に創業家がドイツ南部のエーバーバッハに拠点を移し、1952年にシェル艇の製造を開始した。その後1968年のメキシコ五輪でのM1X銀メダル、そして地元開催の1972年のミュンヘン五輪でのM4+での金メダル獲得がきっかけとなり世界に飛躍した。
正式社名はBootswerft Empacher GmbH(日本でいう有限会社と同格)。
世界に先駆けてプラスチック艇を開発しさらに航空宇宙流体力学の研究から生み出されたサンドイッチ(ハニカム)構造も導入したことで高剛性と軽量性を両立させ「硬くて進む艇」というブランドを確立、今も最先端の艇を製造しながらそのブランドを維持している。

【出典】 
Empacher社公式HP
https://www.empacher.com/en/

Row2K 「A Tribute to Rainer Empacher」
https://www.row2k.com/features/2511/A-Tribute-to-Rainer-Empacher/

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