機能とデザイン

Filippiはイタリアのシェル艇メーカーでLido Filippi氏が1980年に創業。現在ではEmpacherと双角をなす世界最高峰のブランドであるといえる。ウィングリガ―を始めて流通させ、今ではよく見られる美しい流線形のカーボンバックウィングはその性能の高さだけでなくデザインの美しさも感じられる。
機能性とデザインの両方を追い求めていくそのスタイルは、アパレルや自転車にも見られるようなイタリアンクラフトワークスの精神そのものである。
1xは凡そ200万円、8+は凡そ600万からと同じくハイエンドのEmpacherと比べるとやや価格は下がるが、その差を感じさせない直進性と反応性の高さは世界中で愛されている秘訣といえる。

高水準の研究開発

イタリア中部のティレニア海沿いの町ドノラティコ(Donoratico)に工場があり、30人ほどの職人たちが日々最高のボートの製造に打ち込んでいる。「シェルの製造はアスリートの肉体にテーラーメイドのスーツを着せることと同じ」という哲学を持ち、様々な体格、漕法、クセをもつ選手に合わせた船型を選んで注文することができる。これは、膨大な数のローイング動作のデータを3Dの図面に起こし、それを基に重心変化による力の発散具合や艇の浮き沈みによる抵抗などの数値を割り出すことで、どの選手にも最高速度を出せる艇を提案することができるという非常に選手目線な営業スタイルがあらわされている。フェラーラ大学、ミラノ工科大、そしてヨットの世界的チームのアリンギといった流体力学研究のトップ集団と連携し常に豊富な研究資源のもと高水準の研究開発にいそしんでいる。

出典

・Filippi Boats　公式HP（https://www.filippiboats.com/eng）